才塾 入試過去問2017年大問8

数学 入試過去問

8


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【2017年の大問8】
図1図2図3
図1は三角すい$ABCD$
図2はその展開図で、四角形$AEDF$は、 $AD=8cm$, $EF=6cm$のひし形、 線分$AD$と線分$BC$の交点を$G$とする
図3は図1の頂点$A$から線分$DG$に垂線をひき、その交点を$H$としたもの
(1) 図2において、$\triangle ABC$の面積は、四角形$AEDF$の何倍か。

答え
$\cfrac{1}{8}$倍

POINT

図2
 図2は図1の展開図です。図2を$BC$と$BD$と$CD$のところで折り曲げて組み立てると図1になるのだから、$AB=BF,AC=CE$です。
$\triangle ABC$と$\triangle AFE$で、
$\angle A$は共通
$AB:AF=AC:AE=1:2$
$2$組の辺の比とその間の角が等しいので、
 $\triangle ABC$ ∽$\triangle AFE$です。
 そしてその相似比は$1:2$です。
相似比が$1:2$なら、面積比は$1:4$です。
 なので$\triangle ABC$の面積は$\triangle AFE$の$\cfrac{1}{4}$です。
 なので$\triangle ABC$の面積は、四角形$AEDF$の$\cfrac{1}{8}$です。

 【別解】
図2
 図を見てください。こんなふうに考えれば、8つの合同な三角形にわけることができますから、$\triangle ABC$の面積は、四角形$AEDF$の$\cfrac{1}{8}$ですよね。
 なぜ8つの合同な三角形になるのかを簡単に説明すると、ひし形は平行四辺形にふくまれます。平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わるので、ひし形$AEDF$対角線の交点を$M$とすると、 $FM=EM$です。あと、$AB=BF,AC=CE$です。$\triangle AEF$で、中点連結定理より、$BC /\!/ FE,BM /\!/ AE,CM /\!/ AF$となって、四角形$ACMB$,四角形$BCMF$,四角形$BCEM$は、 ぜんぶ平行四辺形になります。平行四辺形を対角線で切れば、合同な2つの三角形になりますよね。3組の辺がそれぞれ等しい2つの三角形になるのだから。なので、$ACMB$において、 $\triangle ACB \ \equiv \ \triangle MCB$です。さらに、$BCMF$において、…という感じでぜんぶ合同になっていきます。

(2) 図3において$AH$の長さ

答え
$\cfrac{\sqrt{39}}{4}cm$

POINT

図3
$AH$の長さを求めるために、図3の$\triangle AGD$について考えます。
その3辺の$AG,GD,AD$の長さについて考えます。
図3
【$AG$の長さ】
 まず$AG$について。図2の展開図で、$AD$と$FE$の交点を$M$とします。
 図2は図3の展開図なのだから、$BC$と$BD$と$CD$のところで折り曲げて組み立てたときに、点$A$と点$F$と点$E$は重なります。なので、$AB=BF,AC=CE$です。
 比でいうと、$AB:BF=AC:CE=1:1$です。
 ということは、$\triangle AEF$で、中点連結定理により、$BC /\!/ FE$ということになります。
 なので$AG:GM$も$AB:BF$や$AC:CE$と等しくなって、その比は$1:1$です。
 $AG$は$AM$の半分になる、ということです。
 $AM$は$AD$の半分なのだから$4cm$,$AG$はその半分なのだから$2cm$となります。

【$GD$の長さ】
 $AD=8cm,AG=2cm$なのだから$GD$は$6cm$です。
図3
【$AD$の長さ】
 図2と図3見比べてください。$BC$と$BD$と$CD$のところで折り曲げて図2を組み立てると図3になるのだから、$ED$と$FD$と$AD$は重なります。長さでいうと、$AD=FD=ED$です。
 それから、図2の四角形$AEDF$はひし形です。ひし形の対角線は垂直に交わるので、$\triangle FMD$は直角三角形です。
図3
 また、ひし形は平行四辺形にふくまれているので、対角線がそれぞれの中点で交わります。
 なので$FM=3cm,MD=4cm$です。
 というわけで$\triangle FMD$において三平方の定理から、 \begin{eqnarray*} (FD)^2&=&(FM)^2+(MD)^2\\ &=&3^2+4^2=25\\ FD>0なので\\ FD&=&\sqrt{25}=5 \end{eqnarray*}  $FD$は$AD$と同じですから、$AD=5cm$です。
 これで図3の$\triangle AGD$の3辺、$AG,GD,AD$の長さがわかりました。
図3
 3辺の長さがわかっている三角形なので、三平方の定理を使って、点$A$から$GD$におろした垂線$AH$の長さを求めていきましょう。
 そのためにまず、$GH$の長さを求めていきます。
図3
【$GH$の長さ】
 $\triangle AGH$は$\angle AHG=90^{ \circ }$の直角三角形だから、$GH$の長さを$x$とすると、三平方の定理より、 \begin{eqnarray*} (AH)^2&=&(AG)^2-x^2\\ &=&2^2-x^2\\ &=&-x^2+4 \end{eqnarray*} 図3
 $\triangle AHD$は$\angle AHD=90^{ \circ }$の直角三角形だから、三平方の定理より、 \begin{eqnarray*} (AH)^2&=&(AD)^2-(HD)^2\\ &=&(AD)^2-(GD-x)^2\\ &=&5^2-(6-x)^2\\ &=&25-(36-12x+x^2)\\ &=&25-36+12x-x^2\\ &=&-x^2+12x-11 \end{eqnarray*}  これで$AH^2$を2通りの表し方で表せました。並べて書くと、 \begin{eqnarray*} \left\{ \begin{array}{l} (AH)^2=-x^2+4\qquad…①\\ (AH)^2=-x^2+12x-11\qquad…② \end{array} \right.\\ \end{eqnarray*}  こんなふうになります。①と②の式について、代入法で、右辺$=$右辺の式をたてて$x$を求めていきます。 \begin{eqnarray*} -x^2+4&=&-x^2+12x-11\\ -x^2+x^2-12x&=&-11-4\\ -12x&=&-15\\ x&=&\cfrac{15}{12}=\cfrac{5}{4}\\ \end{eqnarray*} 図3
 これで$x$が求まりました。
【$AH$の長さ】
 いま求めた$x$を利用して、$\triangle AGH$で、三平方の定理より、 \begin{eqnarray*} (AH)^2&=&(AG)^2-x^2\\ &=&2^2-\left(\cfrac{5}{4}\right)^2\\ &=&4-\cfrac{25}{16}\\ &=&\cfrac{64}{16}-\cfrac{25}{16}\\ &=&\cfrac{39}{16} \end{eqnarray*} $AH>0$なので \begin{eqnarray*} AH&=&\sqrt{\cfrac{39}{16}}\\ &=&\cfrac{\sqrt{39}}{4} \end{eqnarray*}

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