才塾 入試過去問2020年大問8

数学 入試過去問

8


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問題をクリックすると答えがでます。

【2020年の大問6】
1辺$2cm$の立方体$ABCDEFGH$(図1)
辺$BF,CG$の中点をそれぞれ$M,N$とする。
4点$A,D,M,N$を通る平面でこの立方体を切ったとき、 点$E$をふくむ立体を立体$P$とする。
立方体

(1) 立体$P$の投影図として正しいものを、次のア~エのうちから2つ選んでその記号を答えよ。
立方体

答え
ア,エ

POINT

 立面図というのは、真横から見たときの図です。平面図というのは、真上から見たときの図です。投影図というのは、立面図と平面図をいっぺんに考えます。 真横からこんなふうに見えるように見たときに、真上から見たらどう見えるか、というのをいっぺんに表した図です。
立方体
 アは、こんなふうに見ることは可能です。投影図として、正しいといえます。参考になるように、色分けしましたので、これで考えてください。
立方体
 イは、こんなふうに見ることはできません。立面図(真横から見た図)がイのようになるように見たとき、平面図(真上から見た図)は、イのようにはなりません。
立方体
 ウも、こんなふうに見ることはできません。立面図(真横から見た図)がウのようになるように見たとき、平面図(真上から見た図)は、ウのようにはなりません。
立方体
 エは、こんなふうに見ることは可能です。投影図として、正しいといえます。



(2) 四角形$AMND$の面積

答え
$2\sqrt{5}cm^2$

POINT

切断
 四角形$AMND$は長方形になります。長方形の面積は、縦$\times$横です。
 横を$AD$とすれば縦は$AM$です。

【$AD$の長さ】
 仮定から$AD=2cm$です。

切断
【$AM$の長さ】
 $AM$は、 $\triangle ABM$で考えます。
$\triangle ABM$は$\angle ABM=90^{ \circ }$の直角三角形だから、三平方の定理により、 \begin{eqnarray*} (AM)^2&=&(AB)^2+(BM)^2\\ &=&2^2+1^2\\ &=&5\\  AM>0なので\\ AM&=&\sqrt{5}cm \end{eqnarray*}  なので、四角形$AMND$の面積は、 $$AD\times AM=\sqrt{5}\times2=2\sqrt{5}cm^2$$

(3) 立体$P$で、点$E,A,M,N,D$を頂点とする四角すい$EAMND$の体積を求めよ。
 なお、下の図2,図3は四角すい$EAMND$の辺や位置関係を考えるために、立体$P$をそれぞれ 面$DNGH$、面$AMND$が下になるように置いたものである。 切断

答え
$\cfrac{8}{3}cm^3$

POINT

 四角すい$EAMND$の体積を求めよとのことですので、それはどんな四角すいなのか、図1図2図3に線をかきくわえてみましょう。 点$E,A,M,N,D$をむすんだ線です。するとこんな感じになります。
切断
 四角すいというからには、底面が四角形で、三角形の側面が4つあって、体積は底面積$\times$高さ$\times\cfrac{1}{3}$をやればOKです。
 じゃあどこを底面だとおもえばよいのでしょうか。四角形になっている面はどこでしょうか。面$AMND$ですよね。なので図3があるわけです。親切な問題です。図3があるので、考えやすいです。図3をもとにして考えていきましょう。
切断
【底面積】
 四角形$AMND$の面積は、(2)の問題でもう求めています。 $2\sqrt{5}cm^2$です。
【高さ】
 面$AMND$を底面としてみたとき、高さは頂点$E$から面$AMND$にまっすぐおろした線になります。それはどこを通るのでしょうか。面$AMND$と 面$EFMA$は垂直ですから、この線は面$EFMA$上にあることになります。なので垂線は辺$MA$と交わることになります。点$E$を通る$MA$の垂線と $MA$との交点を$P$とすると、$EP$が、面$AMND$を底面としてみたときの四角すいの高さになります。赤い線がこの場合の高さです。
切断
 それでは$EP$の長さを求めていきましょう。2通りのやり方で説明します。相似を利用するやり方と、面積を利用するやり方です。まず、 相似を利用するやり方で説明します。図3で省略されてしまった点$B$を復活させます。すると、下の左側の図のようになります。この図の、 面$FBAE$という正方形をとりだして、$BA$を水平にして描いたのが右側の図です。 切断
 右側の図で、○と☓を足すと$90^{ \circ }$になるので、2か所ある○と☓の角度はどちらも同じ大きさです。 なので$\triangle MBA$ ∽$\triangle APE$ です。この相似を使えば$EP$が求まります。
 まず、$\triangle MBA$で、三平方の定理から$MA$を求めます。
$\triangle MBA$で、仮定より、$MB=1,BA=2,\angle MBA=90^{ \circ }$
三平方の定理により、 \begin{eqnarray*} (MA)^2&=&(MB)^2+(BA)^2\\ &=&1^2+2^2\\ &=&5\\ MA>0なので\\ MA&=&\sqrt{5}cm \end{eqnarray*} 切断
$\triangle MBA$ ∽$\triangle APE$なのだから、 \begin{eqnarray*} MA:AE&=&AB:EP\\ \sqrt{5}:2&=&2:EP\\ \sqrt{5}\times EP&=&2\times2\\ EP&=&\cfrac{4}{\sqrt{5}}cm \end{eqnarray*}  あとで約分できることがよくあるので、ここでは分母の有理化はしません。

 というわけで四角すい$EAMND$の高さがでました。底面積もだしてあります。なのでその体積は、 \begin{eqnarray*} &&底面積\times高さ\times\cfrac{1}{3}\\ &=&2\sqrt{5}\times\cfrac{4}{\sqrt{5}}\times\cfrac{1}{3}\\ &=&\cfrac{8}{3}cm^3(答え) \end{eqnarray*} 【$EP$のべつな求め方】
 $EP$のべつな求め方で、面積を利用するやりかたを紹介します。
 図3で省略されてしまった点$B$を復活させるところは同じです。下の左側の図です。この図の、 面$FBAE$という正方形をとりだして、$BA$を水平にして描いたのが右側の図です。 切断
 さきほどはここで、$EP$を求めるために$\triangle MBA$ ∽$\triangle APE$を利用したのですが、今回はそうではなく $E$と$M$をむすんで、$\triangle MEA$の面積について考えます。
切断
 底辺を$EA$とすれば、その長さはもちろん$2cm$です。
 高さは$M$から$EA$におろした垂線を考えればよいわけで、やっぱり$2cm$です。
 なので$\triangle MEA$の面積の面積は $$2\times2\times\cfrac{1}{2}=2cm^2$$  さて、$\triangle MEA$の面積の面積について、こんどは$MA$を底辺ということにして考えます。
切断
$MA$の長さは、$\triangle MBA$で、三平方の定理より、$\sqrt{5}cm$です。さきほども求めたので、くわしい計算は省略です。
 んで、$MA$を底辺としたら、高さはもちろん、$EP$です。$\triangle MEA$の面積は$2cm^2$なので、じゃあ、 底辺$\times$高さ$\times\cfrac{1}{2}=$面積なのだから、 こんな式ができるはずです。 $$MA\times EP\times\cfrac{1}{2}=2$$ ということは、 $$\sqrt{5}\times EP\times\cfrac{1}{2}=2$$ これを解いて、 \begin{eqnarray*} \sqrt{5}\times EP\times\cfrac{1}{2}&=&2(両辺に\times2)\\ \sqrt{5}\times EP&=&4\\ EP&=&\cfrac{4}{\sqrt{5}}cm \end{eqnarray*}  ここからさきは、さきほどとおなじです。

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