才塾 入試過去問2021年大問8

数学 入試過去問

8


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【2021年の大問6】
図1は三角すいの展開図で、$AB=12cm,AC=9cm,ED=5cm$
展開図

(1) $\triangle CDE$の面積を求めよ。

答え
$$\cfrac{75}{2}cm^2$$

POINT

 三角すいの展開図です。組んだら三角すいになります。どことどこが重なるかを確認しましょう。同じ色のところが、組んだときに重なります。 破線は折り目です。こういうときの破線は、折り目ということになっとります。
立方体
 んで、$\triangle CDE$の面積をきかれています。三角形の面積はもちろん、底辺$\times$高さ$\times\cfrac{1}{2}$です。 $DE\times CD\times\cfrac{1}{2}$をやればよく、$DE$の長さは与えられているので、あとは$CD$の長さがわかればOKです。
 $CD$はの長さは$CB$の長さと同じです。$CB$は、$\triangle ABC$で、三平方の定理を使えば求められますね。
 $\triangle ABC$で、仮定より、$CA=9,AB=12,\angle CAB=90^{ \circ }$
三平方の定理により、 \begin{eqnarray*} (CB)^2&=&(CA)^2+(AB)^2\\ &=&9^2+12^2\\ &=&225\\ CB>0なので\\ CB&=&\sqrt{225}=15cm \end{eqnarray*}  ちなみにこれ、$\triangle ABC$は辺の比が$3:4:5$の三角形であることに気づけば、もっと計算はラクです。

 というわけで、$\triangle CDE$は、直角をはさむ2辺(底辺と高さ)が$5cm$と$15cm$の三角形なので、その面積は、 $$5\times15\times\cfrac{1}{2}=\cfrac{75}{2}cm^2$$

(2) 図2のように展開図に面㋐、面㋑、面㋒、面㋓と名前をつける。面㋓と垂直になるのは、どの面か。面㋐~㋒のの中からすべて選んでその記号を答えよ。
 また、三角すいの体積を求めよ。 展開図

答え
㋓と垂直になる面…面㋐、面㋒
体積…$90cm^3$

POINT

 三角すいというのは、四面体です。4つの三角形があって、どれも底面になりえます。この展開図の三角すいの体積を求めようとしたときに、 三角すいの体積はもちろん、底面積$\times$高さ$\times\cfrac{1}{3}$をやればよいのですが、どこを底面にして考えたらラクかを伝えようとしてくれています。 そして、それは㋒か㋓がいいんだよ、と伝えようとしてくれています。そういう問題なんじゃないかなあ、とおもいます。
 まあともかく、㋓と垂直になるのはどの面か、ということなので、㋓を底面としてこの展開図を組んだときの、できあがった三角すいの見取り図をなんとなくかいてみましょう。 切断
 いちばんうえが展開図で、下のの4つが㋓を底面としたときの見取り図です。
 色分けをしてみたので、しばらく眺めて考えてみてください。どこがどうなっているのか、わかるまで見てください。見えてきたら、じゃあ、㋓と垂直になる面は どこかを考えてみましょう。㋑ではないのは明らかです。見るからにこれはむりです。答えは、㋐か、㋒か、㋐と㋒の両方か、です。
 ところで、平面$P$と直線$l$が垂直になる条件は、平面$P$上の交わる2直線の両方に$l$が垂直であること、です。
展開図
 右の図で、直線$l$と直線$m$が垂直、直線$l$と直線$n$が垂直なら、$m$と$n$の両方をふくんだ面$P$と、$l$は垂直になります。
 なぜそういえるのか、その証明は中学ではでてこないような気がするのですが(高校ではでてきます)、知識として、知っておきましょう。
 また、ある面$P$に対して垂直な直線をふくんでいる面は、面$P$に垂直になります。
 ということをふまえて。
 仮定から、$EB \perp AB,EB \perp CB$です。
展開図
直線$AB,CB$は、ともに面㋓にふくまれます。$EB$はその2つの直線に垂直です。なので、面㋓と$EB$は垂直ということになります。
展開図
 $EB$は面㋐にふくまれるので、面㋐と面㋓は垂直です。
 $EB$は面㋒にもふくまれるので、面㋒と面㋓も垂直です。
 なので、面㋓と垂直になる面は、㋐と㋒です。

【三角すいの体積】
展開図
 この三角すいは、面㋓を底面とすれば、高さは$EB$になります。面㋓と$EB$は垂直だからです。
 なので、この三角すいの体積は、面㋓の面積$\times EB$の長さ$\times \cfrac{1}{3}$をやればOKです。
【面㋓の面積】
展開図
面㋓というのは$\triangle ABC$のことです。仮定から、$AB=12cm,AC=9cm,\angle CAB=90^{ \circ }$ですから、その面積は、 $$12\times9\times\cfrac{1}{2}=54cm^2$$  あと、$EB$の長さですが、$EB=ED=EF=5cm$です。
展開図
 なので、この三角すいの体積は、 \begin{eqnarray*} &&底面積\times 高さ\times\cfrac{1}{3}\\ &=&54\times5\times\cfrac{1}{3}\\ &=&90cm^3\\ \end{eqnarray*}

(3) 三角すいの高さが一番高くなるのはどの面を下にしたときか。図2の面㋐~㋓の中から一つ選んでその記号を答えよ。
 また、三角すいの高さが一番低くなるのはどの面を下にしたときか。図2の面㋐~㋓の中から一つ選んでその記号を答えよ。

答え
高さが一番高くなるときに下にする面…㋒
高さが一番低くなるときに下にする面…㋑

POINT

 三角すいというのは、四面体です。4つの三角形があって、どれも底面になりえます。では、展開図がこのような三角すいの場合は、どこを底面にしたときに、 高さが一番高くなりますか。また、一番低くなりますか、という問題です。
 すい体の体積というは、底面積$\times$高さ$\times\cfrac{1}{3}$です。
展開図
 もし体積がおなじであるのなら、底面積が大きければ大きいほど、高さは低くなります。また、底面積が小さければ小さいほど、高さは高くなります。 そりゃそうですよね。体積がおなじであるのなら、底面積と高さは反比例の関係になっている、といういいかたもできます。
 というわけで、もう、なにがいいたいか、わかってもらえているでしょうか。
 面㋐~㋓まで、どこを底面にしようとも、三角すいの体積はおなじなのだから、底面積が一番小さいとき、高さが一番高くなります。
 また、底面積が一番大きいとき、高さが一番低くなります。
 なので、この問題は、面㋐~㋓まで、4つの面の面積をだせば、それでほぼおしまいです。正直に高さをだして比べる必要はありません。 面積をだせばいけます。じゃあ、それぞれの面積を求めていきましょう。
展開図
 手始めに、展開図に、わかる辺の長さをかきくわえていきましょう。
 仮定から、$AB=12cm,AC=9cm,ED=5cm$です。あと、$AB=AF,ED=EF$です。あと、(1)の問題で、$CB=15$を求めています。さらに、$CB=CD$です。
 ここまではすんなりかきこめるはずです。あと、$AE$の長さですが、これは、 $\triangle EFA$で、$AF=12,EF=5,\angle EFA=90^{ \circ }$
三平方の定理により、 \begin{eqnarray*} (AE)^2&=&(AF)^2+(EF)^2\\ &=&12^2+5^2\\ &=&169\\ AE>0なので\\ AE&=&\sqrt{169}=13cm \end{eqnarray*} 展開図
 これでもう、面㋐~面㋓まで、ぜんぶの面積がだせます。
【面㋐の面積】
これは(1)の問題で求めています。$\cfrac{75}{2}cm^2$です。
【面㋑の面積】 $$13\times9\times\cfrac{1}{2}=\cfrac{117}{2}cm^2$$ 【面㋒の面積】 $$5\times12\times\cfrac{1}{2}=30cm^2$$ 【面㋓の面積】
 これは(2)の問題で求めています。$54cm^2$です。

 というわけで、面積がいちばん小さいのは、㋒です。この面を底面としたとき、高さが一番高くなります。
 また、面積がいちばん大きいのは、㋑です。この面を底面としたとき、高さが一番低くなります。

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