②正の数…$+3, \ +0.35, \ +\cfrac{2}{3}$ など。正の数を表すとき、記号 $+$ は書かなくてもよいです。
　負の数…$-3, \ -0.35, \ -\cfrac{2}{3}$ など。負の数を表すとき、記号 $-$ は書かなければいけません。でないと、正の数と区別がつかなくなってしまいます。

③ $0$ は自然数ではありません。自然数は $1$ からはじまります。

④

⑤たとえば絶対値が $3$ の数は $+3$ と $-3$ の $2$ つです。$0$ の絶対値は、$0$ の $1$ つだけです。

意味が反対になる言葉の例として、
前と後、上と下、右と左、北と南、東と西、高と低、長と短、収入と支出、利益と損失…などがあります。

$+3$ は、$+$ の記号を省略して $3$ とだけかいてもよいです。が、ここではなるべく $+$ をつけておきましょう。

$\gt$ や $\lt$ の記号を不等号といいます。「より大きい」とか「より小さい」ということを表すのに使います。その向きは、
大 $\gt$ 小
小 $\lt$ 大
です。
$2$ つの数の大小をくらべるとき、大きいほうを先にかくか、小さいほうを先にかくか、については、どちらを先にしてもOKです。問題にかいてある順番にかくのが、なんとなくのお約束な気がします。
※「以上」とか「以下」については、また別な記号がありますので、$\gt$ や $\lt$ を以上、以下といってはいけません。
$\gt$ や $\lt$ は「より大きい」「より小さい」です。気をつけましょう。

①についてですが、
$-0.5\gt-0.55\lt+0.3$
というふうにしてはいけません。不等号の向きがそろっていないからです。$3$ つ以上の数の大小をいうときは、不等号の向きはかならずそろえましょう。つまり、数を「小さいほうから順番にならべていく」か、「大きいほうから順番にならべていくか」のどちらかにしましょう。大きいほうからはじめるのか、それとも小さいほうからはじめるのかについては、特に指定がないかぎり、どちらからならべてもOKです。ただ、指定がないときは、小さいほうから順番にならべるのがなんとなくのお約束です。
②分数の大小をくらべるときは、通分しましょう。 \begin{eqnarray*} \cfrac{3}{8}&=&\cfrac{39}{104}\\ \cfrac{5}{13}&=&\cfrac{40}{104} \end{eqnarray*} なので、$\cfrac{3}{8}\lt\cfrac{5}{13}$ です。
なので、$-\cfrac{3}{8}\gt-\cfrac{5}{13}$ です。

絶対値をきかれた問題に答えるときには $+$ の符号をかいてはダメです。もちろん $-$ もかいてはダメです。数だけを答えましょう。

この問題はふつう、答えが正の数と負の数の $2$ つあります。ただし、絶対値が $0$ となる数は $0$ の $1$ つだけです。$+0$ と答えてはいけません。もちろん $-0$ もダメです。$0$ の絶対値をきかれたときは、$0$ とだけ答えましょう。

はじめてやるときは、数直線を利用して答えをだしましょう。
やり方の規則をみつけて、数直線を使わずに答えをだせるようになりましょう。
数直線を使ってだした答えとみくらべて、やり方の規則が正しいことを確認しましょう。

$2$ 数の符号が同じとき
答えの符号は同じにする
答えの絶対値は $2$ 数の和

$2$ 数の符号が異なるとき
答えの符号は絶対値の大きいほうと同じにする
答えの絶対値は $2$ 数の差

分数は通分します。 \begin{eqnarray*} &④& \left(-\cfrac{2}{3}\right)+\left(-\cfrac{3}{4}\right)\\ &=& \left(-\cfrac{8}{12}\right)+\left(-\cfrac{9}{12}\right)\\ &=& -\cfrac{17}{12} \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑤& \left(+\cfrac{5}{8}\right)+\left(-\cfrac{7}{12}\right)\\ &=&\left(+\cfrac{15}{24}\right)+\left(-\cfrac{14}{24}\right)\\ &=& +\cfrac{1}{24} \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑥& \left(-\cfrac{4}{9}\right)+\left(+\cfrac{7}{6}\right)\\ &=& \left(-\cfrac{16}{36}\right)+\left(+\cfrac{42}{36}\right)\\ &=& +\cfrac{26}{36}\\ &=& +\cfrac{13}{18} \end{eqnarray*}

計算がやりやすいように順番を並べ替えてしまいます。まず正の数を順に並べ、つぎに負の数を並べていきます。そうしたら正の数と負の数のそれぞれをまとめて、最後にその差を答えます。 \begin{eqnarray*} &①& (-18)+(+12)+(-6)\\ &=& (+12)+(-18)+(-6)\\ &=& (+12)+\{(-18)+(-6)\}\\ &=& (+12)+(-24)\\ &=& -12 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &②& (+9)+(-7)+(+3)\\ &=& (+9)+(+3)+(-7)\\ &=& \{(+9)+(+3)\}+(-7)\\ &=& (+12)+(-7)\\ &=& +5 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &③& (+6)+(-7)+(+14)+(-5)\\ &=& (+6)+(+14)+(-7)+(-5)\\ &=& \{(+6)+(+14)\}+\{(-7)+(-5)\}\\ &=& (+20)+(-12)\\ &=& +8 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &④& (-1)+(+12)+(-17)+(+9)\\ &=& (+12)+(+9)+(-1)+(-17)\\ &=& \{(+12)+(+9)\}+\{(-1)+(-17)\}\\ &=& (+21)+(-18)\\ &=& +3 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑤& (+3)+(-15)+(+6)+(-7)+(-8)\\ &=& (+3)+(+6)+(-15)+(-7)+(-8)\\ &=& \{(+3)+(+6)\}+\{(-15)+(-7)+(-8)\}\\ &=& (+9)+(-30)\\ &=& -21 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑥& (-5)+(+18)+(-7)+(-16)+(+4)\\ &=& (+18)+(+4)+(-5)+(-7)+(-16)\\ &=& \{(+18)+(+4)\}+\{(-5)+(-7)+(-16)\}\\ &=& (+22)+(-28)\\ &=& -6 \end{eqnarray*}

減法は、加法になおすことができます。たとえば、
\begin{eqnarray*} &①& (+5)-(+9)\\ &=& (+5)+(-9)\\ &=& -4 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &②& (-6)-(-8)\\ &=& (-6)+(+8)\\ &=& +2 \end{eqnarray*} こんな感じです。$-$ を $+$ にしたら、そのあとの符号を反対にしちゃえばいいんです。 \begin{eqnarray*} &③& (-7)-(+2)\\ &=& (-7)+(-2)\\ &=& -9 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &④& (-7)-(-7)\\ &=& (-7)+(+7)\\ &=& 0 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑤& (+3)-0\\ &=& +3 \end{eqnarray*} $0$ をひいてもその数はかわりません。 \begin{eqnarray*} &⑥& (-3)-0\\ &=& -3 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑦& (-4)-(-8)\\ &=& (-4)+(+8)\\ &=& +4 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑧& (-8)-(+7)\\ &=& (-8)+(-7)\\ &=& -15 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑨& (+3)-(-8)\\ &=& (+3)+(+8)\\ &=& +11 \end{eqnarray*}

$(+3)+(-4)+(+5)+(-6)$ という式の、$+3, \ -4, \ +5, \ -6$ をこの式の項といいます。$+3, \ +5$ を正の項，$-4, \ -6$ を負の項といいます。
\begin{eqnarray*} &①& (-4)-(+13)+(+8)\\ &=& (-4)+(-13)+(+8)\\ &=& (+8)+(-4)+(-13)\\ &=& (+8)+(-17)\\ &=& -9 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &②& (+9)+(-7)-(+12)\\ &=& (+9)+(-7)+(-12)\\ &=& (+9)+(-19)\\ &=& -10 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &③& (+6)+(-8)-(+3)-(-7)\\ &=& (+6)+(-8)+(-3)+(+7)\\ &=& (+6)+(+7)+(-8)+(-3)\\ &=& (+13)+(-11)\\ &=& +2 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &④& (-11)-(+4)-(-17)+(+5)\\ &=& (-11)+(-4)+(+17)+(+5)\\ &=& (+17)+(+5)+(-11)+(-4)\\ &=& (+22)+(-15)\\ &=& +7 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑤& (+8)+(-9)-(+5)+(-3)-(-7)\\ &=& (+8)+(-9)+(-5)+(-3)+(+7)\\ &=& (+8)+(+7)+(-9)+(-5)+(-3)\\ &=& (+15)+(-17)\\ &=& -2 \end{eqnarray*}

\begin{eqnarray*} &①& 6-8+7\\ &=& 6+7-8\\ &=& 13-8\\ &=& 5 \end{eqnarray*} このへんまで教わったらもう、答えは $+5$ でも $5$ でもどっちでもいいです。答えが正の数のとき、$+$ の記号は省略してOKです。 \begin{eqnarray*} &②& -4-8+9-12\\ &=&9-4-8-12\\ &=&9-24\\ &=& -15 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &③& 0.3-2.7+5.8-4\\ &=& 0.3+5.8-2.7-4\\ &=& 6.1-6.7\\ &=& -0.6 \end{eqnarray*} 分数のたし算やひき算は通分します。 \begin{eqnarray*} &④& -\cfrac{7}{6}-\cfrac{11}{12}+\cfrac{7}{3}\\ &=& \cfrac{7}{3}-\cfrac{7}{6}-\cfrac{11}{12}\\ &=& \cfrac{28}{12}-\cfrac{14}{12}-\cfrac{11}{12}\\ &=& \cfrac{28}{12}-\cfrac{25}{12}\\ &=& \cfrac{3}{12}\\ &=& \cfrac{1}{4} \end{eqnarray*} かっこがある式は、かっこをなくしてしまいます。項だけを並べた式になおして計算します。 \begin{eqnarray*} &⑤& 15+(-17)-(-16)+18\\ &=& 15+(-17)+(+16)+18\\ &=& 15-17+16+18\\ &=& 15+16+18-17\\ &=& 49-17\\ &=& 32 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑥& -19-(-14)+(-15)-(+17)\\ &=& -19+(+14)+(-15)+(-17)\\ &=& -19+14-15-17\\ &=& 14-19-15-17\\ &=& 14-51\\ &=& -37 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑦& -\cfrac{2}{5}+\left(-\cfrac{7}{6}\right)+1-\left(-\cfrac{2}{3}\right)\\ &=& -\cfrac{2}{5}+\left(-\cfrac{7}{6}\right)+1+\left(+\cfrac{2}{3}\right)\\ &=& -\cfrac{2}{5}-\cfrac{7}{6}+1+\cfrac{2}{3}\\ &=& 1+\cfrac{2}{3}-\cfrac{2}{5}-\cfrac{7}{6}\\ &=& \cfrac{30}{30}+\cfrac{20}{30}-\cfrac{12}{30}-\cfrac{35}{30}\\ &=& \cfrac{50}{30}-\cfrac{47}{30}\\ &=& \cfrac{3}{30}\\ &=& \cfrac{1}{10} \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑧& -\cfrac{3}{4}+\left(-\cfrac{4}{3}\right)-(-2)-\left(-\cfrac{9}{8}\right)\\ &=& -\cfrac{3}{4}+\left(-\cfrac{4}{3}\right)+(+2)+\left(+\cfrac{9}{8}\right)\\ &=& -\cfrac{3}{4}-\cfrac{4}{3}+2+\cfrac{9}{8}\\ &=& 2+\cfrac{9}{8}-\cfrac{3}{4}-\cfrac{4}{3}\\ &=& \cfrac{48}{24}+\cfrac{27}{24}-\cfrac{18}{24}-\cfrac{32}{24}\\ &=& \cfrac{75}{24}-\cfrac{50}{24}\\ &=& \cfrac{25}{24} \end{eqnarray*}

＜正の数、負の数のかけ算について＞
$2$ 数の符号が同じとき
答えの符号は正
答えの絶対値は $2$ 数の絶対値の積

$2$ 数の符号が異なるとき
答えの符号は負
答えの絶対値は $2$ 数の絶対値の積

分数のかけ算は、約分できるときはまず約分しましょう。 \begin{eqnarray*} \require{cancel} &⑧& \left(+\cfrac{1}{28}\right)\times(-7)\\ &=& \left(+\cfrac{1}{{}^4\bcancel{28}}\right)\times(-\bcancel{7})\\ &=& -\cfrac{1}{4} \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑨& \left(+\cfrac{9}{10}\right)\times\left(-\cfrac{20}{3}\right)\\ &=& \left(+\cfrac{{}^3\bcancel{9}}{\bcancel{10}}\right)\times\left(-\cfrac{{}^2\bcancel{20}}{\bcancel{3}}\right)\\ &=& -\cfrac{6}{1}\\ &=& -6 \end{eqnarray*}

かけ算だけの式のときは、まず最初に答えの符号を決めてしまいます。
　負の数の個数が偶数…答えの符号は$+$
　負の数の個数が奇数…答えの符号は$-$
そのあとは、どこからかけてもいいし、どの順番でかけてもいいです。「乗法の交換法則」と「乗法の結合法則」は、ひらたくいうとそういうことです。だから、計算がラクになるようにくふうしましょう。うまいやり方が思いつかないときは、まあ、がんばってぜんぶかけておけばいいです。よく使われるパターンとして、 $$25\times4=100$$ $$125\times8=1000$$ というのがあります。これはぜったいおぼえておいたほうが得です。 \begin{eqnarray*} &①& (-4)\times(+23)\times(+25)\\ &=& -(4\times25\times23)\quad(答えの符号は-)\\ &=& -(100\times23)\\ &=& -2300 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &②& (+39)\times(-5)\times(+2)\\ &=& -(39\times5\times2)\quad(答えの符号は-)\\ &=& -(39\times10)\\ &=& -390 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &③& (-1.25)\times(-47)\times(-8)\\ &=& -(1.25\times8\times47)\quad(答えの符号は-)\\ &=& -(10\times47)\\ &=& -470 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &④& (-15)\times(+13)\times(-4)\\ &=& 15\times4\times13\quad(答えの符号は+)\\ &=& 60\times13\\ &=& 780 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &⑤& (+2.5)\times(-37)\times(-8)\\ &=& 2.5\times8\times37\quad(答えの符号は+)\\ &=& 20\times37\\ &=& 740 \end{eqnarray*} 分数のかけ算は、約分できるときはまず約分しましょう。そのほうがラクです。 \begin{eqnarray*} &⑥& \left(-\cfrac{1}{6}\right)\times(+25)\times(-24)\\ &=& \cfrac{1}{\bcancel{6}}\times25\times{}^4\bcancel{24}\quad(答えの符号は+)\\ &=& 100 \end{eqnarray*}

③ $-(7)^3$ とは答えません。この場合は $-7^3$ と答えます。

$1$ は何乗しても $1$ です。
累乗の計算で気をつけたいのが、負の数のときの符号のことです。以下のように思っちゃうといいと思います。負の数が累乗の指数の形になっているときの、

「かっこの外側に指数があって、それが偶数ならプラス。それ以外は全部マイナス」

なので、この問題の場合は③と⑥はプラスになります。それ以外は、負の数のナントカ乗は全部マイナスです。

累乗の指数の形になっている数があるときは、まずそこを計算しましょう。そのあと、ほかの計算をしていきましょう。 \begin{eqnarray*} &①& -2^2\times(-3)^2\\ &=& -4\times9\\ &=& -36 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &②& (-2^2)\times(-3)^3\\ &=& -4\times(-27)\\ &=& 108 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &③& (-5^2)\times(-2)^2\\ &=& -25\times4\\ &=& -100 \end{eqnarray*} 符号に気をつけましょう。$(-2)^2$ や $\left(-\cfrac{7}{8}\right)^2$ はプラスになります。かっこの外側に指数があって、それが偶数だからです。

＜正の数、負の数のわり算の符号について＞
$2$ 数の符号が同じとき
答えの符号は正
$2$ 数の符号が異なるとき
答えの符号は負

符号については、かけ算のときとおなじです。あとは、われるときはわっちゃえばいいし、われないとき(答えが整数にならないとき)は分数にして、約分できるなら約分します。
$0$ は何でわっても $0$ です。負の数でわったときも、それは変わりません。

分数の形にして、上と下をひっくり返した数が逆数です。負の数になってもおなじことです。
③$30=\cfrac{30}{1}$ ですから、$30$ の逆数は $\cfrac{1}{30}$ です。
④$1.5=\cfrac{15}{10}=\cfrac{3}{2}$ ですから、$1.5$ の逆数は $\cfrac{2}{3}$ です。

かけ算とわり算がまじった式のときは、まず最初に答えの符号を決めてしまいます。かけ算だけの式とおなじです。
　負の数の個数が偶数…答えの符号は$+$
　負の数の個数が奇数…答えの符号は$-$
そのあとは、おすすめのやり方があります。かけ算だけの式のときは、どこからかけてもよかったのですが、かけ算とわり算がまじった式のときは、テキトーなところから計算をはじめると答えがちがってしまうことがあります。ちょっとだけややこしいんです。
いちばんラクで（たぶん）、順番のことなんて考えなくてもいつも正しい答えがでてくるやり方があります。こういうやり方です。

まず、ひとつの分数にしてしまう。
このとき、$\div$ のうしろにある数は分母にかく。それ以外はすべて分子にかく。数と数は $\times$ の記号でつなぐ。
約分できるところは約分する。かけ算は最後。とにかくまず約分できるかぎりは全部約分。
もう約分できなくなったなら、かけ算をしておわり。

このやり方は$2$年生になっても$3$年生になっても使えます。たとえば$3$年生になると、平方根というのがでてきて、ややこしい計算をすることになるんですが、そのときも「かけ算とわり算だけの式のときは、ひとつの分数にして、まず約分」というのがいちばんラクなやり方になります。たいてい。
言葉で説明するとわかりづらいかもしれません。実際に下にやり方をしめしますので、よく見て、ぜひおぼえて使ってください。 あと、約分に順番はありません。どこからどう約分しても答えはおなじになります。約分できるところがいくつもあるときは、好きなところから好きなように約分してOKです。 \begin{eqnarray*} &①& (-42)\times(+16)\div(+21)\\ &=& -(42\times16\div21)\quad(答えの符号は-)\\ &=& -\cfrac{{}^2\bcancel{42}\times16}{\bcancel{21}}\\ &=& -32 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &②& (-13)\div5\times(+30)\div(-6)\\ &=& 13\div5\times30\div6\quad(答えの符号は+)\\ &=& \cfrac{13\times\bcancel{30}}{\bcancel{5}\times\bcancel{6}}\\ &=& 13 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &③& (-4)\div(-7)\div(-6)\times21\\ &=& -(4\div7\div6\times21)\quad(答えの符号は-)\\ &=& -\cfrac{\bcancel{4}\times\bcancel{21}}{\bcancel{7}\times\bcancel{6}}\\ &=& -2 \end{eqnarray*} 累乗の数があるときは、まずそこを計算します。累乗の数がない形にしてから、そのほかのところをやっていきます。 \begin{eqnarray*} &④& (-16)\div(-3)^3\times(-9)\div(-8)\\ &=& (-16)\div(-27)\times(-9)\div(-8)\\ &=& 16\div27\times9\div8\quad(答えの符号は+)\\ &=& \cfrac{\bcancel{16}\times\bcancel{9}}{\bcancel{27}\times\bcancel{8}}\\ &=& \cfrac{2}{3} \end{eqnarray*}

分数で、かけ算とわり算がまじった式のときは、まず最初に答えの符号を決めてしまうところはいつもとおなじで、そのあとは、すべてかけ算になおしてしまいます。「分数のわり算はひっくり返してかける」と小学校で教わったと思います。あれです。あれをやりゃいいんです。
そのさい、上と下をハッキリわけるとミスが少なくなります。なので、整数があるときは、これも分数にしておくのがおすすめです。そんなことしなくてもミスなんてしないよ、と自信があるひとはべつにやらなくてもいいですけど。
んで、約分できるところは約分する。かけ算はあと。とにかくまず約分できるかぎりは全部約分。
もう約分できなくなったなら、かけ算をしておわり。
あと、約分に順番はありません。どこからどう約分しても答えはおなじになります。約分できるところがいくつもあるときは、好きなところから好きなように約分してOKです。 \begin{eqnarray*} &①& \quad \left(-\cfrac{4}{15}\right)\div\left(+\cfrac{3}{5}\right)\times(-4)\times\left(-\cfrac{9}{8}\right)\\ &=& -\left(\cfrac{4}{15}\div\cfrac{3}{5}\times\cfrac{4}{1}\times\cfrac{9}{8}\right)\quad(答えの符号は-)\\ &=& -\left(\cfrac{\bcancel{4}}{\bcancel{15}}\times\cfrac{\bcancel{5}}{\bcancel{3}}\times\cfrac{\bcancel{4}}{1}\times\cfrac{\bcancel{9}}{\bcancel{8}}\right)\\ &=& -2 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &②&\quad \left(-\cfrac{2}{3}\right)\div\left(+\cfrac{5}{6}\right)\div3\times\left(-\cfrac{15}{14}\right)\\ &=& \cfrac{2}{3}\div\cfrac{5}{6}\div\cfrac{3}{1}\times\cfrac{15}{14}\quad(答えの符号は+)\\ &=& \cfrac{\bcancel{2}}{\bcancel{3}}\times\cfrac{\bcancel{6}}{\bcancel{5}}\div\cfrac{1}{\bcancel{3}}\times\cfrac{\bcancel{15}}{\bcancel{14}}\\ &=& \cfrac{2}{7} \end{eqnarray*} 累乗の数があるときは、まずそこを計算します。累乗の数がない形にしてから、そのほかのところをやっていきます。 \begin{eqnarray*} &③& \left(-\cfrac{14}{45}\right)\div\left(+\cfrac{49}{27}\right)\times\left(-\cfrac{1}{3}\right)^2\div\left(-\cfrac{4}{7}\right)\\ &=& \left(-\cfrac{14}{45}\right)\div\left(+\cfrac{49}{27}\right)\times\left(+\cfrac{1}{9}\right)\div\left(-\cfrac{4}{7}\right)\\ &=& \cfrac{14}{45}\div\cfrac{49}{27}\times\cfrac{1}{9}\div\cfrac{4}{7}\quad(答えの符号は+)\\ &=& \cfrac{\bcancel{14}}{\bcancel{45}}\times\cfrac{\bcancel{27}}{\bcancel{49}}\times\cfrac{1}{\bcancel{9}}\times\cfrac{\bcancel{7}}{\bcancel{4}}\\ &=& \cfrac{1}{30} \end{eqnarray*}

＜四則のまじった計算の順番について＞
1.累乗があるときは、まず累乗の計算を先にする
2.かっこの中に式があるときは、その次にかっこの中を計算する
3.かけ算とわり算をそのつぎにする
4.たし算とひき算は最後にする
小学生のときに教わったのとおなじです。ただ、小学校の算数では累乗はでてきませんでした。中学では累乗がでてきます。そして、累乗はいちばん最初にやるようにしましょう。 \begin{eqnarray*} &①& -3-7\times(-4)\\ &=& -3+28\\ &=& 25 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &②& -(+15)-(-2)^4\div(-8)\\ &=& -(+15)-(+16)\div(-8)\\ &=& -(+15)-(-2)\\ &=& -15+2\\ &=& -13 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &③& -9-30\div(-3^3+12)\\ &=& -9-30\div(-27+12)\\ &=& -9-30\div(-15)\\ &=& -3+2\\ &=& -1 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &④& \cfrac{2}{5}\times\left(-\cfrac{3}{4}\right)-\left(-\cfrac{1}{2}\right)^2\\ &=& \cfrac{2}{5}\times\left(-\cfrac{3}{4}\right)-\left(+\cfrac{1}{4}\right)\\ &=& \cfrac{\bcancel{2}}{5}\times\left(-\cfrac{3}{\bcancel{4}}\right)-\left(+\cfrac{1}{4}\right)\\ &=& -\cfrac{3}{10}-\left(+\cfrac{1}{4}\right)\\ &=& -\cfrac{3}{10}-\cfrac{1}{4}\\ &=& -\cfrac{6}{20}-\cfrac{5}{20}\\ &=& -\cfrac{11}{20} \end{eqnarray*}

①は、かっこの中のたし算をまずやってからかけ算をしてもいいのですが、分配法則でかっこをはずしてしまったほうがラクです。そうしたほうがラクな計算問題というのがよく出題されます。約分ができて、分数が消えてくれるようになっています。下にやり方の例をしめしますが、慣れると2行目と3行目はかく必要がなくなります。そういう練習をしましょう。 \begin{eqnarray*} &①& 24\times\left(\cfrac{5}{6}-\cfrac{7}{8}\right)\\ &=& 24\times\left(\cfrac{5}{6}\right)+24\times\left(-\cfrac{7}{8}\right)\\ &=& {}^4\bcancel{24}\times\left(\cfrac{5}{\bcancel{6}}\right)+{}^3\bcancel{24}\times\left(-\cfrac{7}{\bcancel{8}}\right)\\ &=& 20-21\\ &=& -1 \end{eqnarray*} ②たとえば、 $$3\times10+3\times15=3\times(10+15)$$ のようにすることを、「くくる」といいます。上の式は、$3$ でくくっています。くくると計算がラクになる問題というのが出題されます。ときどき、夢のようにラクになったりします。 \begin{eqnarray*} &②& 79\times(-321)+79\times(+221)\\ &=& 79\times(-321+221)\\ &=& 79\times(-100)\\ &=& -7900 \end{eqnarray*} \begin{eqnarray*} &③& 38\times\left(\cfrac{31}{25}\right)+38\times\left(-\cfrac{6}{25}\right)\\ &=& 38\times\left(\cfrac{31}{25}-\cfrac{6}{25}\right)\\ &=& 38\times\left(\cfrac{25}{25}\right)\\ &=& 38\times1\\ &=& 38 \end{eqnarray*}

自然数の減法は、たとえば $1-2=-1$ となってしまい、計算結果が自然数でなくなってしまいます。なので、自然数 $-$ 自然数は、つねに自然数になるとはかぎりません。
自然数の除法は、たとえば $1\div2=\cfrac{1}{2}$ となってしまい、計算結果が自然数でなくなってしまいます。なので、自然数 $\div$ 自然数は、つねに自然数になるとはかぎりません。
整数の除法は、たとえば $1\div2=\cfrac{1}{2}$ となってしまい、計算結果が整数でなくなってしまいます。なので、整数 $\div$ 整数は、つねに整数になるとはかぎりません。

ぜんぶの数をたして $5$ でわれば平均です。もちろんそうやってもかまいません。でも仮平均のやり方というのがあります。どこかを基準にしてしまい、その基準との違いを正負の数を使って表します。そして平均を求めていきます。そのほうがちょっとラクにできたりします。

では実際にやってみましょう。まず、どこかの曜日の参加者数を $0$ ということにします。ここでは水曜日を $0$ だということにします。すると①の問題の答えのような表ができます。この表の平均を求めます。 \begin{eqnarray*} && \{(-84)+(+18)+(-32)+0+(+51)\}\div5\\ && \{(+18)+(+51)+(-84)+(-32)\}\div5\\ && \{(+69)+(-116)\}\div5\\ &=&-47\div5\\ &=&-9.4 \end{eqnarray*} 水曜日を $0$ だということにして平均を求めました。水曜日の参加者数は $1300$ 人でしたね。なので、 $1300-9.4=1290.6$ となって、一日平均 $1290.6$ 人と答えることになります。